第百五話 『重金属』

こんにちは、淡海です。

音楽を聴きながら山を歩くのは、たいへん趣深いものがあります。
山のなかでは、ほのぼのとしたピースフルサウンド。
というのが世間一般の定説となっているようですが、答えはノーです。

山歩き音楽はヘヴィメタルであります!

忌み嫌われ、自然のかけらもないガチムチな重金属音。
山に音楽を合わせるという保守的な思考ではなく、山と相反する音楽を享受することで、さらに山の本質を理解するという、自分で書いてて意味不明な結論に達しました。

たとえハイキングであっても死ぬ可能性がある以上、戦いなのであります。
己を奮い立たせるヘヴィメタルを耳に突き刺すと、いわゆる勃起率が上昇し、いわゆる勃起角度と、いわゆる登坂斜度の数値がみごとにマッチします。
その勃起角度および登坂斜度の数万光年延長線上には宇宙が存在し、山を登るという行為の次元を超え、宇宙に近づくという超歩行が実現します。

イヤホンで軽量化するのは言語道断であります。ズビズビに重くてパワフルなヘッドホンを付けて、小川のせせらぎや小鳥のさえずりまでもを遮断し、真空世界を作り上げてください。
ヘヴィメタルお得意の勇ましいフレーズ、”イントゥーザファイア”や、”ユーガッタパワー”が、人間の洗剤能力を引き出します。漢字変換を間違えましたが、そのまま進めます。
そして、人差し指と小指を立ててトレッキングポールを握ります。
Tシャツの袖なんかもナイフで切っちゃってください。
体温調節のため、舌を出したまま歩くとよいでしょう。

さあ、ヘヴィメタル登山のはじまりだ!
【重金属歩行音6選】

Heresy / Paradox (1989)

paradox-heresy

登山口に立ち、靴ひもを締め直すときは独国鞭打重金属音のパラドックス以外は考えられません。登る前の儀式として気合いが入ります。

Prowler / Iron Maiden (1980)
Iron-Maiden_(album)

歩きはじめは、ポール・ディアノ時代の鋼鉄の処女が鉄板です。
貞操を守って安全な山歩きを!

Imperiled Eyes / Annihilator (1990)
20130525202625725

アナイアレイターの男根をイメージさせるテク二カルなリフは、緩急をつけることで歩行と休憩の時間をトレースし、海綿体に集中してしまった血液を全身に拡散流動させる作用があります。はじめから海綿体に血液を集中させなければよいのでは? というご意見をいただきそうなものですが、山に性を感じなければ山を登ったとは言えないと思われます。

Timeless Cell Of Prophecy / Heathen (1991)

Heathen-Victims_Of_Deception_Japan-Front

ヒーゼン。この打てなくて2軍落ちし、数ヶ月で帰国する外国人打者のような名前だけで勇気を与えてくれます。

 

(My Favorite) Nightmare / Metal Church (1984)

 

metalchurch

就寝前は、メタルチャーチの『(私の好きな)悪夢』です。肛門に熱したコールタールを流し込まれるような深い眠りを誘います。

 

Pentagram and Crucifix / Christian Mistress (2012)

posession_1400

女子重金属音は、お洒落でカラフルな山ガール必聴です。休憩時にかわいいバンダナで汗をふきつつ、木陰で痰を吐きながら聴いてるとキュートです。

ヘヴィメタルとかけまして、山登りと解きます。
その心は。
どちらも先の展開が読めません。

本日は以上です。
次回もよろしくお願いします。